<総評> 伊藤康子
ご応募いただいたみなさま、有難うございました。
本を読んで、ご自分の深い想いを表現することは容易なことではありません。
その点、大変丁寧に熱く書かれたエッセイばかりのご応募であることに 心から御礼申し上げます。
みなさまのエッセイを読ませていただきながら、「何が審査のポイントか」と逆に問い返させられました。
本を読み込む力、そこから触発された自分の内面の想い、きものと自分の関係、文章力、様々な要素で成り立つエッセイですが、最終的にどこまで深くご自分を見つめていらっしゃるかが、審査結果に現れました。
そしてまた、そのような審査をさせていただくことに、私たちは戸惑いも感じました。
社会的な立場や役割はあっても、人が人を評価できるものではありません。
まして熱き想いに対して何をか言わんやです。
それをお許しいただいた上で、入賞作を選ばせていただきました。
ご応募いただいたみなさまの想いが、きものを愛する方々の良き指針や示唆や共感となって羽ばたく事を願っています。
みなさまが、きものというご縁を通して更に素敵な日々を重ねられますように、審査員一同心からお祈りしています。
◆優秀賞 該当者なし
◆準優秀賞(2名) :きもの人商品券 5千円相当
広島県広島市 宮下佳世さん
鳥取県鳥取市 木村眞由美さん
◆奨励賞 (4名) :2千円相当の品
東京都板橋区 高畠二三人さん
石川県松任市 赤坂悦子さん
神奈川県横浜市 尾下理恵さん
愛知県名古屋市 岩瀬珠美さん
各入賞作品は、氏名をクリックしてご覧下さい。
※ 高畠さんの作品は、きものの本を読んでという募集要項からは離れているのですが、内容的に優れているとの審査によって、奨励賞とさせていただきました。
<講評> 泉二弘明
どれもが力作で点数をつけるのが難しかったです。その中で何とか点数をつけてみました。
岩瀬さんと木村さんは、ともに林真理子さんの「きものの悦び」を取り上げていま す。
どちらも理想の着物姿を目指して頑張っていこうとする姿に好感が持てました。
赤坂さんは、「どんな自分も私!」という渡辺一枝さんのようになりたいという あこがれの思いが良く伝わってきます。
高畠さんは、1枚の絵から思い起こされる幼き日々の想い出が、懐かしき良き時代と して 描きだされています。そしてその思い出と現在とのつながりがとても素敵だと思いま した。
宮下さんは、いつか きっと という思いが伝わってきました。
尾下さんは、作り手と着る人の覚悟、というと言い過ぎなのかもしれませんが伝わっ てきました。 販売するものとしては作り手と着る人の「橋渡し」として背筋を伸ばすつもりで読み ました。
<講評> 沢井良一、和子
こんにちは、きものくらぶの沢井です。
「想い」は、伝わるもの。いかなるメデイアよりも、口コミ情報よりも、 「想い」は、伝わるものだと思います。
それは、言葉でも、人の評価でも、ルールでもなく、一人一人の行動であり、 生き方なのかも知れません。
高畠氏、尾下氏には、伝統を感じました。歴史が重ねてきたその「想い」は、 モノにも、思い出にもあることなのだと感じました。その情景が目に浮かぶ ものがありました。
岩瀬氏と杉崎氏は、私達と同じ「想い」があると思いました。 「着ようよ。きもの、いいじゃん」気軽に。そんな「想い」が伝わってきます。 なんだか楽しくなってきます。大好きです。
木村氏は、きものをナビゲートする「想い」がありました。きものというのが 着ることだけではなく、季節や周囲を楽しむことである観点に敬服します。 投稿作品の中で最も勉強になったものでした。
宮下氏は、おそらく「きもの」を見つめています。その視点は「遊び」であり、 しかし、重んずることのきもの裏をも見つめているように感じました。 凛とした、しかしながら現代の視点の「想い」には、私達は完敗です。 「想い」は、伝わるもの。 きものを着ることが目的ではありません。きものを着ることで季節や風景や 我々の行動が、優しく生き生きとした人生を育む道具であれば良いのだと 思います。
最後に、僭越ながらこうした講評をすることをお許し下さい。同じ「きもの」 好きであるだけで、なんの取り柄もありませんけど、私達も「想い」はあるのだ、 と。
そして、このような機会を与えてくださった、「おかみさん」に感謝いたします。
<講評> 早坂伊織
今回審査員をやらせて頂いた事で、きもの好きな皆さんの 様々なきもの観や着物への想いを感じることができ、大変勉強 になりました。みなさん、どうもありがとうございました。
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