京子さまご一家です。ご子息にはお二人のお嬢様がいらっしゃいます。今年、高校3年のはるかさんと中学2年の天音(あまね)さんです。
天音さんが着ている十三参りのきものと帯は、京子さんが、終戦直前の昭和19年に数え年19の厄落としのためにご両親から買ってもらった振袖です。
日本橋三越デパートの呉服売り場に3枚だけ残っていた振袖の1枚を購入してお召しになりました。
お孫さんの天音さんが、今また十三参りに艶やかに着ていらっしゃるのを見るのは、嬉しいものです。
きものを着る機会は、喜びの機会であることが多く、きものには、多くの喜びと思い出が込められています。
2006年成人式を迎えられた 大野はるかさん
はるかさんのおじいさまは、高校で国語を教え源氏物語の研究者でもありました。
きものが大好きで、ご自宅ではいつもきもの姿でした。
そのきもの姿はご近所でも評判を呼ぶほど素敵だったそうです。
おじいさまは、はるかちゃんが中学生の頃から、毎年成人式になると、式典会場の近くにお出かけしました。
何年かして、おばあさんである京子さまは、
おじいさまが、はるかちゃんが成人式に着る振袖を楽しみにして
成人式の振袖を毎年見に行っていたのだと知りました。
おじいさまが亡くなって、京子さまは
何年間も、「これだっ!」と思える振袖を探しました。
しかし、なかなか素敵な振袖にめぐり合いませんでした。
しかし、きもの人の展示会で、この振袖を見た途端に、
「これだっ!」
と思われたのです。
京子さまは、ご主人であるおじいさまの熱い想いを、しっかりとはるかさんに伝えたかったのです。
これが私の務めです!と思われたようです。
そしてお選びになった振袖は、はるかさんの成人式の3年前に出会いました。
そして、今年2006年1月にこの振袖で成人式をして、写真撮影は3月に行いました。
ご親戚が集まって会食も行いました。
はるかさんや京子さまのきもの姿は、街行く多くの人たちを振り向かせたようです。
はるかさんは、現在、日大芸術学部に入学し、工業芸術の道に歩みだしました。
写真協力:スタジオ45 / ヘアーメイク着付け協力:スタジオオゾン