「すみません。そちらには、色留袖は有りますか?」という1本の電話でこの出会いは始りました。4月のある日、東京赤坂プリンスホテルで開催される日本国際賞は、科学技術において、独創的・飛躍的な成果を挙げ、科学技術の進歩に大きく寄与し、人類の平和と繁栄に著しく貢献したと認められた人に与えられるものです。律子さまは、その受賞者の仲間としてご夫婦で参列のご招待を受けました。授賞式典は、天皇皇后両陛下ご臨席のもと、内閣総理大臣、衆議院議長、参議院議長、最高裁判所長官を始め、関係大臣、駐日大公使、学者、研究者、政官界、財界、ジャーナリスト等約千名が出席して盛大に挙行されます。大変おめでたいきものの出番ですが、その式典まで後1月、仕立てや加工の日数を考えると、もう時間の猶予は有りません。
 
天皇皇后両陛下ご臨席の世界的な授賞式ですから、最高の格のお席です。
受賞者ご本人では有りませんが、お仲間としてですから本人に順ずる立場とお考えになった方が良いでしょう。
律子さまは、都内にお勤めの公認会計士さん。ご主人は研究者としてご活躍です。30代でお子様もいらっしゃる律子さまにとって、
今後は、公的で正式な場へのご出席が予測されます。本格的礼装としてのきものは、律子さまのライフスタイルの必需品とも言えます。
 
 
 
既婚女性の第一礼装である色留袖か、着まわしが出きる訪問着に紋を付けてという選択になりますが、今回のように最高格の式典へのご参列ですから5つ紋付きの色留袖になりました。後は、律子さまのお人柄や雰囲気に合ったおきものをご用意してお選びいただきます。京都の老舗から取り寄せたきものは下のとおり、大変格調高い吉祥文様のきものと帯は、本金使いで、素晴らしい出来栄えです。これだけの仕事をしたきものは、なかなか有りません。叙勲、園遊会、国際的な式典で、日本を代表する衣として、律子さまを大きくパワーアップしてくれるはずです。もしお時間が有れば、誂えてお作りすることも出来ます。ここで重要なのは、TPOをしっかり抑えながらも、着られる方の個性を最高に生かし一層素敵に見えるきものを選ばせていただくことです。
 
ご覧いただいた下記4点のきものから、まずお顔映りが良い色を選びました。どれもお似合いですが、色留袖Cは、少しピンクが強いので、長く着られるようにもう少し薄い色を色留袖Bは、律子さまには、少し裾模様が大きいかな?という訳で、色合いと柄ゆきの大きさ、優しく清楚な雰囲気がぴったりの色留袖Dに決まりました。比翼付きの5つ家紋です。
                        

                        ■ 慶びに華を添える色留袖 も、あわせてご覧下さい。

 

次にそれに合う袋帯3本の中から選ばれたのは、袋帯C。
 
 

                       ■ フォーマルな袋帯 大人の女性用 も、あわせてご覧下さい。

 

後は小物ですが、帯揚げ帯締めは、白、金、銀などを基調にした格調高いコーディネートです。金エナメル台の草履に金銀の帯地の鼻緒と、どこまでも律子さまが主役で、主役を引き立てる色使いや柄選びに徹します。
 
 
 
仕立てと加工でぎりぎりのお届けになりますが、赤坂プリンスホテルの授賞式での喜びを、このきもの達と一緒にお祝いさせていただきます。