商品解説

目視で紺か墨色か判断が難しいおしゃれな濃い色にスタイリッシュな白いお花と青い葉がおしゃれに糸目友禅で伸びやかに染められています。
このお花は、タイサンボクです。
タイサンボクは、モクレンやコブシなどと同じ仲間です。
早春から続くこのマグノリア（モクレン）属の開花の最後を飾るのが、タイサンボクです。

こんな時期にと思うほど遅い6月から7月に、大輪で純白の香りのよい花を咲かせます。
花の白と、常緑で光沢のある葉の深緑色との対比は非常に美しく、花が上向きに咲き、樹高が高いため、
見上げないと開花に気づかないことがあります。
大きな葉の裏面には、茶色の毛が密生し、花のない時期にも端正な樹形と相まって美しいです。

その大きなタイサンボクを椿のお花のように可憐におしゃれに描いています。
ということは、春にお召しいただいてタイサンボクの季節を楽しんでも良いし
秋や冬に、「何気ないお花」としてお召しいただくこともできます。
多くの季節に大活躍する頼れるスタイリッシュなフォーマル着物になることでしょう。

あわせる帯は、白、茶、紫などで雰囲気が変わりますから、その変化でも
様々な場面でお召しいただけます。

お子様の入学・卒業式、七五三のお母様にも、結婚式などにもお召し下さい。

この訪問着は、石川県金沢市を中心に生産されている手書き友禅染の「加賀友禅」です。
加賀には古くから、「加賀染」等の伝統的な染の技法がありました。
その地に、晩年は加賀に移り住んだといわれる京友禅の創始者・宮崎友禅斎が糸目糊（いとめのり）の技法を加え、
現在の加賀友禅が生まれたとされます。

友禅という呼び方は、実はその創始者と言われる宮崎友禅斎の名前からとられています。
この宮崎友禅斎が京都から金沢に移り住んだことが、加賀友禅発展の契機となっています。
三大友禅と呼ばれる、江戸友禅、京友禅、加賀友禅の中で、
京友禅は、天皇や貴族文化の影響から、雅で華やかな金銀の彩色が特徴で 絵画的な柄模様が見受けられます。

加賀友禅は、武家文化の質実剛健をもとに、賀友禅の特徴 「加賀五彩」といわれる藍、黄土、草、古代紫、臙脂（えんじ）
を基調としており、美しい自然を表しています。
落ち着きのある写実的な草花模様を中心とした絵画調の柄が特徴です。
また、外を濃く中心を淡く染める「外ぼかし」や「虫喰い」といった技法も使われます。