商品解説

この訪問着は、加藤改石（かとうかいせき）牛首紬という、大変貴重で高級な紬に染めるのにふさわしい
贅沢な道長取りの多色柄を、後染めでを染めたものです。

平安時代貴族の間で流行した『継ぎ紙』からヒントを得て、取り入れた模様と言われる道長取りに
沢山の小さな可愛い小花を、洗練された優しい色合いで染めています。

美しい藤色、水色、深い緑、優しい茶色など華やかで可愛い柄に包まれる着物です。

牛首紬は、石川県白山市で生産されている、大変貴重な「玉繭」を原料とした紬です。
2匹の蚕から作られている「玉繭」は、繊維が複雑に絡み合っているためにとても丈夫で、絹の滑らかな肌触りと光沢の美しさも持ち合わせています。
織り上げてから染色される後染めが主流なので、後染めならではの優美さと玉繭の独特な風合いが多くの人を魅了しています。

「牛首」とは、白山の開祖泰澄大師が護摩堂を建て、牛頭大王と十二神将を祀って村の鎮守とした。
その「牛頭」をとって村の名前にしたものを後の者が「牛首」と改めた、と言い伝えられているものです。
白峰の地形から来ているという説もあります。

牛首紬の特長は、座繰りで手挽きした空気を多く含んだ柔らかな糸、丁寧に織り上げる打ち込みのしっかりした張りのある地風、
そこから生まれる弾力性及び伸張性によるシワに対する抵抗力、玉繭独特の小節が浮き立つ表面の美しさ、優れた保温、吸湿、通気性、軽くてなじみよい着やすさ、等があげられます。 　玉繭から引き出された太くて節のある玉糸で織りあげられており、ネップが多く、白生地で見るよりも、染めたときに野趣に富んだ優雅さと、民芸の素朴さが一層浮かびあがってくる。耐久性があり、
釘に引っかけても破れないくらい丈夫なことから“釘抜き紬”ともいわれています。
染め替えが幾度もきき、純然たる自家生産の天然絹糸を原料とし、単糸を用いた手織り紬は、他に例を見ない特色です
加藤改石牛首紬は、昔ながらの手法で手織りの白生地を作っています。

昔ながらの製法で手づくりされた糸から織られる生地は、気品のある光沢を放ち、身体にしっくりとなじむ着やすさで高い評価を受けています。

絵柄の「道長取り」とは、指でちぎった和紙を斜めに配したような画面構成のことです。
その名の通り、平安時代の藤原道長が好んだことから名づけられたといわれています。

道長模様（道長取り）は、平安時代貴族の間で流行した『継ぎ紙』からヒントを得て、取り入れた模様です。
いくつかの色・柄の違う模様の和紙をちぎって貼り合わせたように、曲線や折れ線で区切って描いた模様や構図を道長取りまたは道長模様と言います。

あわせる帯は、おしゃれな袋帯か名古屋帯です。
お着物にふさわしい品質の良い帯を合わせて、おしゃれを楽しん出ください。