商品解説

すっきりとした白地に黒で小さい三角が織り込まれています。
その三角は、「ウロコ柄」と呼ばれるものです。
正三角形または二等辺三角形を連続して配した文様で、三角形と三角形を四方に連ねると、その頂点が接することで、
三角形の間に新たな三角形ができます。三角形の連続する様子を魚や蛇の鱗に見立ててこの名がつけられました。

単純で描きやすいことから、古代より世界各地に見られる柄です。
日本でも古くは古墳の壁画や埴輪（はにわ）などの文様があります。
鎌倉幕府の北条時政の旗印は三角形を3つ重ねた「三鱗（みつうろこ）」と呼ばれるものでした。
室町時代以降は能装束や陣羽織にも見られ、能や歌舞伎では鬼女や蛇の化身の衣装に使われています。

三角の文様は古くから魔物や病を示すもので、古墳の壁画や装飾に、神に屈した悪魔の印をあえて描くことで、
忌み嫌うものを追い払おうとしたともいわれています。
やがて、三角は魔よけや厄よけの意味で使われるようになり、京都には現在も、女性の厄年（33歳）に
鱗文様の長襦袢を着る習慣が残っています。


■豪華さと格
　金などを使わず、織の質感から、豪華というより
　気軽に多くのお着物にあわせていただけます。
　締めやすい帯です。

■あわせる着物
　小紋、色無地、付け下げ

■個性と年齢
　年齢に関係なく締めていただけます。
　三角のウロコ柄がすっきり感がありますから、その雰囲気があう柄のお着物に合わせたいです。

■季節　＜少し単衣＞暑くない単衣の季節、＜袷用＞10月から5月

■製造元　長嶋成織物
　長嶋成織物が、通称「ながしま帯」と呼ばれる京都・西陣の名門です。
　株式会社長嶋成織物は1948年に創業、呉服業界からも着物ファンからも厚い信頼のある老舗織元です。

「糸は帯の命、織は帯の心」と、微妙に染分けられた絹糸の命と熟練の織技を駆使する織り手が
伝統に根ざした確かな美意識のなかで「ながしま帯」を生み出しています。