商品解説

京友禅として高級な訪問着を作り続ける染め屋さんの作品です。

優しく美しい水色の地色に梅の花が沢山咲いて、
見事な緑色をした松と竹が艶やかに描かれています。

沢山描かれている梅の枝や花は、ぼんやりとして薄く可愛く
独特の表現がされています。

これは、「うたせ糊」という古来から伝わる染め技法で染めています。
うたせ糊とは、一度染布へ置いた糊糸目を、指の背や筒描き皮の端で絶妙にかすれさせて
雅味や趣きを出すものです。
完全に、職人さんのセンスを技が表現される世界です。

背景に見えるのが、「うたせ糊」の部分で、手前に白く、少し薄ピンクに染められた梅の花は
糸目友禅で染めています。その上を金銀の手刺繍で刺しています。

使われている金は、純度の高い美しい本金です。
豪華さや陰影などを繊細に見事に調整しながら完成されています。
全てを手仕事で行っている大作です。

おめでたい松竹梅の絵柄の作品ですから、様々なフォーマルにお召し下さい。
お子様の入学卒業や結婚式、式典にもおすすめです。

●京友禅とは、

京友禅は、京都で発展した日本の伝統的な染色技法の一つで、華やかで繊細な模様が
特徴の着物や帯に用いられます。

着物の生地となる布に直接色や模様をつけていく染色技法です。
手描きによる繊細な模様や、金彩・刺繍などの装飾技法を取り入れることで、
上品で優雅な美しさが表現されます。


●京友禅の歴史

京友禅は、京都で発展した日本の伝統的な染色技法の一つで、豪華で繊細な模様が特徴です。
その起源は江戸時代に遡り、約300年の歴史を持ちます。
日本の伝統的な手工芸品であり、そのはじまりは平安時代に遡ります。

室町時代に発展した染色技術は江戸時代には独自の様式を確立し、主に絞り染めの技法を
使用した美しい模様や色使いで知られています。

その歴史は長く、日本の芸術文化において重要な位置を占めています。

江戸時代の元禄年間（1688年～1704年）に、宮崎友禅が、奈良時代頃から伝わる染色技法を
元にして考案したことがはじまりです。
宮崎友禅が描く扇の画風を着物の生地に取り入れ、京友禅の染め技法が確立されました。


●京友禅の特徴

京友禅の特徴は、古典的な花鳥風月や格式のある有職ゆうそく文様※を取り入れながら、
優雅ではんなりとした美しさにあります。

また、描かれる模様は写実的というよりは、図案や絵画的であることも大きな特徴の一つです。

さらに、染め地には金銀箔や金糸銀糸の刺繍がなされ、煌びやかさも持ち合わせ、
高度な職人の技術がぎゅっと詰め込まれています。

制作工程ごとに技を磨いた職人が分業で作品を仕上げていくスタイルも、京友禅の特徴となっています。