白峰旅情


牛首紬の故郷、牛首村(現・白峰村)は、石川県と福井県の県堺近くに位置し、金沢市から車で南へ40キロ、人口1300名ほどの小さな山村です。

霊峰白山(2702メートル)麓を流れる手取川支流の山間にあり、冬ともなれば村全体が雪の中にすっぽりと包み込まれてしまうほどの
豪雪地帯 です。
現在は道路が整備され、冬でも通行が可能ですが、かつては雪のために外部との接触が遮断されました。

また、村全体の
耕地面積 は、わずか 1% という条件です。
厳しい環境の中で、村人は山村特有の様々な智恵を産んだと言われます。
春から秋の間、人々は自宅から10数キロ離れた山間地へ耕地を求めて入り、焼畑農業に精をだし、自給自足の生活を続けました。

こうした
「出作り農業」 では焼畑の跡地や空地に桑の木を植えたのですが、多くの労働力がかかり、養蚕や製糸での大幅な収入は望めませんでした。
繭を生産する農家が繭や生糸を納めたあとの玉繭や屑繭を原料にして糸を紡いで織物にしたのが紬であり、農家はこれを自家用としていました。

秋になると収穫物を背負って山を下り、村外との交通を遮断されたまま豪雪の中で機織りなどを行いながら、じっと春の到来を待つ。
こうした出作り農業は、昭和30年代中頃まで行われていたそうです。

現在は、日本最古の化石の骨が出土して話題を呼び、恐竜パークや恐竜壁が人を集めています。
また、毎年1月末に開かれる
雪だるまウイーク では、各家の前に雪だるまが並び、雪国らしさを高めてくれます。



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