きもの人 トップ  → 商品一覧  → 舞台衣装のお誂え

 

  舞台衣装のお誂え

 

 

11月18日

お能の舞台で踊るおきものをお誂え下さった尾崎様の
発表会が観世流能楽堂(渋谷)で行われました。

閑静な住宅街の中にある能楽堂は、こじんまりした 佇まいです。

尾崎様のきれいな藤色の訪問着は、船弁慶の題材に合わせて
観世流水の模様が綺麗に染められています。

うこん色の袴の色ともよく調和し、とても舞台映えしていました。

お越しになる方々は、紬、小紋、訪問着で紬が多かったようです。

尾崎様の晴れやかなお顔がとても輝いていました。

 

   

 

   

   
   

 

 

2007年11月、能の舞台で「船弁慶」を舞う純子様。

凛々しいウコンの袴姿にピッタリのお着物を
きもの人 女将がプロデュースいたしました。

 

芸能人のきものも作られる作家さんと

詳細な打ち合わせから始まりました 

初回のお打ち合わせの約1月後、

実寸大に下絵を描いた紙が完成。

柄の確認、色の確認、生地の確認

をしていただきました。

 

生地の確認をなさる尾崎様。

袖や肩の部分、上前の部分など

実寸大の紙を体に当てて、その大きさや

柄の雰囲気を確認いただきました。

 

 

 

 

 

 

純子様のご要望にお応えしつつ、
最高の舞台を演出する着物作りがスタートしました。


 

制作スケジュール

 尾崎様から袴を送っていただき、
 その色を確認しながら
 きものの地色として候補色を出させていただきます。

 

 

 

 
 
 こちらのお写真は、
 純子様が昨年11月に観世能楽堂にて舞囃子を舞われた時のお写真です。

 今回は、この時の袴に合わせた付下げをお作りしました。
 
 製作過程

 

 お着物の生地をお探しいたします。
  ↓
 下絵に入ります。

 お話をしつつ、細部を決めていきます。 

  (柄のポイント)  
   @観世流水がほどけた動きがある流水模様を入れる

   A刺繍や金線をいれると仰々しくなるので
     すっきりと糸目友禅などの線描き模様にする

   B胸・肩は、能舞台を意識して観世流水の模様を無地感覚で入れる

   Cすそは、3シーズンお召しいただけるように花(桜や紅葉)を入れ

           多色使いに、 ピンク グリーンなどを入れる
   
  ↓
 染めにはいります
  ↓
 染め上がりをご確認いただきましたら、いよいよお仕立てへ
 背中には、一つ紋をお入れいたします
 

 舞台の上では、長刀を使う荒行を披露される純子様。

  その凛々しいお姿を拝見できる日がたのしみです。


<船弁慶のあらすじ>
 平家が滅びた後、兄の源頼朝と不仲になった源義経は、
嫌疑を晴らすべく西国落ちを決意する。
摂津国尼崎大物浦まで一行が到着したとき、弁慶の薦めを容れて
静御前を都へ帰すことになる。弁慶は静の宿を訪ねてこの由を伝えるが、
静は弁慶の一存から来たものと誤解し、義経に直訴する。
しかし、義経からも重ねて都へ帰る由を伝えられ、静は沈む心を引き立たせ、
やむなく別離の[中之舞]を舞う。最後には、烏帽子を脱ぎ捨てて静は帰っていく。

<中入>
 義経一行が船出すると俄かに風が荒れ始め、
平知盛を始めとする平家の怨霊たちが波間に現れ、
義経一行を海に沈めようと[舞働]を舞って襲い掛かってくるが、
弁慶が五大明王に祈ると遠ざかり、波間に消えて失せていった。

 

純子様

 

伊藤様はじめ皆々様

先ほど、着物宅急便にて受け取りました。
箱を開くときからドキドキしてしまいました。

私の能曲に対する思いを掬い取って、細やかな筆使いで見事に表現して
くださった加納先生の絵柄の美しいこと!


ちょっとした瞬間に絵柄に挿した銀色がほのかに輝いて、
惚れ惚れと致します。


それに華やかさがあるのに決して派手過ぎる事のない地色、 地模様は、
何処でも探すことができない絶品だと心から嬉しく満足しています。

眺めているだけでも目頭が熱くなります。

このような素晴らしい着物にめぐり合えて、これまでの加納先生や、

きもの人の伊藤様はじめ皆様のさまざまなご配慮に対して
心から感謝いたします。本当にありがとうございました。

この着物に魂を込めるのは、11月18日の舞台本番の日と思います。

改めてその頃にご案内もお送りいたしますが、 正直、今はとても私の技が、

この着物に敵いませんので、せめて、この着物で私の舞台をカバーして

貰いたいと願うのみです。

でも、その日まで少しでも向上しようと頑張りますので、

どうぞよろしくお願いいたします。

特別暑い夏、皆様どうぞご自愛を。まずは御礼まで。