きもの彩々

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きもの姿 ご本人から 女将から
富山県滑川市:中村喜久美さん

中部地方では 昔から、おばあちゃんの手仕事で 結び糸ということをするんです。 生糸の端やくず糸を はた結びで結んだモノを横糸に使って 縦糸は普通の糸で織るんですが 丁度、結び目が紬の節のようなカンジになって ちょっと、良いんです。(笑)

私の持っている着物には 母が、そうして結んだ糸で白生地を織ってもらい 私が、染めの見本帳で選んで染めて貰ったモノがあります。

決して、高価と言うようなモノではありませんし、 何がどうってことのない着物ですが 母の想いと時間を纏うありがたさを感じます。
お茶のおけいこで、「次から次へ、いったいどのくらい持っているのやら。もう、いい加減にしなさい!」と先生に言われるほど次々に衣装公開し楽しんでいる喜久美さん。

季節や気分、場所に合わせて色半衿や刺繍物、紬や染め等とっかえひっかえ着て楽しんでいる様子が想像できますね。

ポリエステルから、お母様の紡いだ糸で作ったきもの、そして高級品まで上手く使い分けていらっしゃる、きもの大好きさん。これだけお好きだと、きものも幸せです。
 
埼玉県三郷市:伊藤欣子さん

きものは大好きです。織りの紬に染めの帯を合わせました。 この大島は、大変めずらしいもので、からし色の唐草模様が気に入っています。

帯は白い塩瀬に花柄だったのですが、汚れたので染めに出したらこんなに綺麗に仕上がって満足しています。

久しぶりにきものを着たら、主人に「写真を撮ってやろう」と言われました。
ソプラノ歌手ですので、日本歌曲の時にもっと着物を着ようと思います。
伊藤さんのお歳をお聞きして、びっくり。
還暦を10歳過ぎました、と。
お若〜い!!

セミプロのソロ歌手として多忙な毎日ですが、お付き合いが良くて、お酒を飲んで朝帰りもする不良おばあちゃんです、と。

カラオケボックスで歌うと、部屋中のみなさんがシーンとして聞きほれるそうです。

北海道ご出身で、きもの好きだったお母様が、毎日金糸のおきものを着て漁師だったお父様の帰りを待っていたのを、懐かしく思い出します、と。
大津市 杉野玄周さん

映画村がある京都太秦(うずまさ)で、草木天然染のきものを作って20年になります。

着る人を引き立てるきものを作りたいと、色の追求を続けています。
草木染料を使って、良い色を追い求めていますが、色が思うように出ない。暴れ馬を押さえ込むよりも難しいんですよ。

日常は、作務衣(さむえ)で通します。冬は厚い生地の物です。
作務衣は法衣展で購入し、足首と手首に本当はゴムが入っているんだけど、仕事しやすいようにゴムを取ってしまいます。

化学染料にはない色の深みが、草木染めにはあるんですね。
色んな色を重ねて作られる色の深さは自然光で見ると歴然に違うそうです。

色素が多い自然界の原料である草木を使ったものは、お顔写りがとても良いと。

着る人を引き立てるためには、きもが目立ってはいけないと、おっしゃいます。

白生地にもこだわって、善い生地に目が無いと、作家らしいお言葉です。

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