原品は、地を紫、文様を黄であらわす二色の緯錦です。文様は、四方に尖頭を出す複合四弁の唐花を中心におき、その周囲に八花形に蔓の先には葉、果実、捲き蔓をおのおのシンメトリックに配しています。蔓はまことに見事な弧線を描き、複雑な構造ながら美しくまとまって、葡萄唐草の意匠に対する高度な図案化がうかがわれます