「天平綾錦」は、生糸へのこだわりと、天平の世界というモチーフから生み出されたものです。 今では生糸を紡ぐ繭は、生産量や育てやすさの関係から、外来種や交配種を育てるのが普通になりました。 しかし、昔の繭からとった生糸の、柔らかく気品のある風合いを何とか蘇らせることができないだろうかとの思いから、 高尾 弘は繭を選ぶところから始めたのです。
そこで出会ったのが、群馬県蚕業試験場が改良を重ねた「世紀二一(せいきにいち)」という蚕です。 これを更に徹底して選別し、ゆるやかな速度で操糸して極細の生糸を紡ぐことに成功したのです。 ここに美しい生糸「世紀二一」が誕生しました。
高尾 弘の一番新しい創作のテーマである「天平彩錦」は、この奇跡のような細く美しい生糸を使い、 天平時代の香り豊かな世界をモチーフとして、天平から遙かシルクロードへの夢を織り上げたものです。
シルクロードを通して大陸の影響を受けた天平の精緻で華麗な文化は、世界に誇る日本の美のルーツであり、 我が国の織物の源流でもあります。ユーラシア大陸の西の果てから東の果てに至る、 時を超えて永遠に流れる空間と時間を織物として表現しています。
しなやかな手触りと、内側からにじみ出すような深い光沢、その品格ある美しさは人々を魅了せずにはおきません。 題材は古典ですが意匠はモダンで、着用シーンの幅も広い1枚です。極上のお洒落着としてもご愛用いただけます。
4609-0302
価格は袷仕立て代込み
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