■きもの
沖縄の海に浮かぶ周囲48キロの島、久米島。 その小さな島で織られているのが、国の重要無形文化財に指定されている久米島紬です。
久米島紬の起源は15世紀の中頃。 「堂之比屋」という人物が中国に留学し、養蚕の技術を修めて帰国後、 絹織物を始めたのがきっかけと言われ、日本の織物が発祥した地とも言われています。 500年の伝統を守りながらその伝統に甘んじることなく、 次の世代にも受け入れられる生地づくりに情熱を掛ける。 そんな久米島の織子さんたちの努力の結晶が久米島紬なのです。
織子さんたちは、染めの原料を集めることから始まり、 図案作り、絣括り、糸染め、織り、仕上げのきぬた打ちまでの全工程を、 分業体制を取らず、たった一人でこなします。 一反一反に込められた熱い思いを示すように、標章には織り人の名が記されています。
このきものは鳥が飛んでいる躍動感と、スラリと見えるたて縞が特徴。 素朴な風合いと深い色味を味わってください。 213
■帯
経糸に100%和紙、 緯糸に100%竹和紙を用いて織られた「紙はた織」。 張りのある八寸名古屋帯に仕上がっています。
白と緑がはっきり出た市松模様がお洒落な帯。 古典にもモダンな装いにも合うでしょう。 袷の時期にも単衣の時期にもお使いいただけます。 422 |
■単衣にお薦め!和紙の帯
この和紙の帯(八寸名古屋)は、単衣でも袷の季節でも使えます。 そして、素材は、絹でも麻でも無く、和紙で出来ています。
これが、その和紙の帯です。
 

この帯は、たて糸に、越前(福井県)の雁皮(ガンピ)というジンチョウゲ科の落葉低木の皮で作られた和紙を使っています。作り手は、この雁皮は、世界一強い和紙だと言います。 たて糸は、ひっぱる力が必要とされるのです。
よこ糸には、竹紙という竹の繊維を材料として作った和紙を55%以上混ぜ込んだ和紙の糸を使っています。 竹紙は、吸水性に優れています。
この意味が分かっていただけるでしょうか?
手ですいて、手でもんで、手で織った、とても手間ひまかかる100%和紙の帯だということです。
これだけ上質の和紙の帯は、他の所では作れません。
その上質さ加減が、どこに影響するかというと、全体のざっくりした風合いの良さとか たて糸とよこ糸が織り成す柄の出方です。
黒白の糸がたてよこに織られて、グレイッシュで、からりとした風合いを出し 黄色の四角い柄が優しいアクセントになっています。
これだけの品質は、素材を落としたり、手間ひまをかけないと出来上がらないのです。
お安い帯との違いって、こんな部分であり、その真価を見極めるには、見る目を養っていただくしか有りません。
他に、こんな帯も有ります。

小気味良い墨色の格子柄が織られています。

一番良く品質を現しているのは、格子の線が交わる箇所です。 赤い糸が少し加わり、ぼかされた様に絣が入っています。 その風合いが良いですね。
この深い味わいは、色数を減らしたり、糸の品質に妥協したり、時間を短縮したりしていては出来ない仕事です。
和紙は、絹や麻と異なった風合い、締め心地が有ります。 しっかりと肌に馴染み、吸湿性が高く、丈夫でも有ります。
和紙の帯を使うと、絹の帯との締め心地の違いが体で分かっていただけます。
それを言葉で表現するのは難しいですが、とても落ち着いて穏やかで、 旧友が傍にいて、いつも手伝ってくれているような優しく素朴な力強さを感じます。
これからの単衣と袷の季節に、この帯をお勧めいたします。
秋になっても、冬にも、初春にも、6月の単衣にも大活躍してくれます。
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