■きもの経糸緯糸の両方に、手績みの苧麻を用いて、丹念に織り上げられた宮古上布の着尺です。草木染めで染められた手績みの苧麻で、シンプルな縦縞模様が並びます。草木染めならではの、苧麻一本一本に深く浸透するような黄色。一口に「黄色」とはいえないグラデーションは、沖縄の太陽やそこで暮らす人々の、柔らかく優しい一面を映し出しているようです。231■帯沖縄独特の染色技法である紅型は、琉球王府時代、士族階級にのみ着用を許されたきもの。玉那覇氏はその全工程に精通し、手間と熟練を必要とする「両面染」の技術で、独自の作品を生み出しています。地元沖縄に息づく自然の植物をモチーフに描き出される意匠は伝統の中にも今を感じさせる逸品。342
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