きもの美人
春 No.2  2001年  (16)


5年前から、衣は全て和に変えました。きものか作務衣です。

きものは吉崎さんにとって、かけがえがない物です。
満足感を与えてくれ没頭できます。

人と違うものを着たいので、色柄の見立てから仕立てまで、凝りに懲りますが、周囲の良き協力者に恵まれました。

奥様は、とても器用な方。
お抱えに近い状態の仕立て屋さんは、結城紬とちりめんを片身替わりで1枚のきものに上手く仕立ててくれる方。

ちりめんを暫く吊るしておいて、垂れ具合を計算し、結城紬と合わせた時につっぱらないように、たるみを入れて仕立てます。
すごい技術です。


吉崎裕行さん

熊本で、味彩御膳 はなつばきという料亭  を営む傍ら、小原流いけばなの家元教授をなさっています。
ブライダルやイベントのコーディネートも手がけ、司会業も20年のベテランです。

福のあるお顔に大らかなお人柄で、周囲が放っておきません。これに人目を引く素敵なきものや作務衣姿が相まっていつも人気の的です。

仕事用にと奥様が用意した普通の作務衣(サムエ)が、事の始まりでした。

動きやすいし着心地が良い。
それから、ゴムを取って、帯を締めて、長襦袢も専用に仕立ててと改良しまた。

吉崎さん流の作務衣は、上着だけを見たらきものと同じ。格も素材と柄行きでフォーマルにも対応できます。

帯は、男性用の角帯よりは広く、見映えが良くて貝の口に縛れる幅をご自分で見いだしました。
女物の袋帯を切って作ります。
半幅帯にちょうど使える幅が残ります。


今日のきものと羽織は、桜柄のお召しです。
きものは、桜の花びらの間にウサギが顔をだしています。
羽織も、きものと同系色、濃いグレーと白色で、桜の花が一面に咲いています。

和ダンスに幾竿ものきものや作務衣を持っています。

毎日着ていますが、地元ではとても全部は着尽せません。それで、年に何回も上京し、きものde銀座に参加したりしてきものの
お披露目をします。

毎日何回も素敵なきものをとっかえひっかえ着てホテルから出掛ける姿を、ホテルマンの方は、どう思っているのでしょうか?(笑)




 

男物の足袋に柄物が少ないので
困ります。
きものに合わせた柄の足袋です。
草履は畳表です。

吉崎さんを拝見していると、きものの贅沢って、
とても楽しくて、生き方を豊かにしてくれるのね
とつくづく思います。


この籠は、作家物です。
変わった物を手にいれ
たいと食指が動きます。

竹がいい飴色しています。
    






    
TPOに合わせて着る作務衣の数々です。
一番左は、古布の黒留袖を2反使って作りました。
5つ紋付きで、本来裾模様だった柄を上着に持ってきました。
橘(たちばな)の大きな花があったのですが、それを外して
程よい大きさの柄を使用しました。

奥様も柄違いの黒留めの作務衣で、お二人揃って東京の高輪
プリンスホテルで開催された甥ごさんの結婚式に出席したら、
参加者の方々の注目を浴びました。
作り方を教えてって、随分言われました。

古布に良い物が多く残っているので、骨董屋さんや市を
回って、反物探しをします。

異なる種類の反物をどうやって剥いだりつなげ合わ
せたりするかを考えるのは、とても楽しいのです。

その他に半衿や伊達衿も使って色でも遊びます。

作務衣は簡単に着られて、きちっと形が決まるし、
どこでも座れるからいいのです。
作務衣の素材は、ほとんど
です。
そうでないと、ひざが持ちません。

機能性とおしゃれを追求したら、ここに行き着いた
という所でしょう。

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