この文様は、正倉院御物の「紅牙揆鏤尺」から取材したものです。曲尺一尺に相当する象牙の尺で、象牙を紅く染め、それにはね彫り(揆鏤)して文様を出し、更に黄や緑の色をさして多彩にしています。区切られた一区劃が一寸で、その中に鳥獣文や草月文などを表わし、裏は、区劃なしに当時の流行文様を表わしています。