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女将 女将奮闘記
サイト開設までの経緯編 vol.12
牛首紬との再会
催事場で牛首紬と巡り合った後、私は何とか牛首紬にもう1度出会いたいと 思いました。 私が魅了された美しさ、自然でひかえめだけれど主張のある光沢、しっかりしているけどしなやかな質感をもう1度確かめた かったのです。
確かめてどうするという当てがないまま、東京の主なデパートの呉服 売り場に行って「牛首紬ありますか?」と聞きました。 日本橋のTデパートとMデパート、池袋のTとSデパート、銀座のMとMA、P、渋谷のTと捜して行くうちに、もうこれはだめだと思いました。 「有りません」と言われるか、「あれは特別なときだけ」と言われるん です。

「どうして?」と言う気持ちと、「幻の紬だったんだ」という思いが強くなりもう見つからないかなと思ったのですが、念のためと思ってインターネットで、牛首紬を検索してみました。 そうしたら、何と見つかったのです。 白峰の生産者、西山産業開発さんのHPで、牛首紬が紹介されていました。

そしてそこには、金沢市にほど近い鶴来町で牛首紬を直売している 加賀乃織座の連絡先が掲載されていました。 まずは連絡先が見つかって喜んだのですが、「電話するの?」「何て言う?」と自問自答です。

2日考えて、思い切って電話をかけました。 「あのう牛首紬を見た者ですが、どうしてデパートに置いてないのですか?」などとお尋ねして、生産反数が少ないからとか、展示会はほとんどやらないことなどをお聞きしました。

そして、意を決して、「もし、販売したいと言ったら買わせていただけますか?」と言ってみました。 こんなこと言っていいのかな?と迷いながらです。 そうしたら、「喜んで、どなたにもお売りしますよ。でも、定価どおりの価格です。それから産地で買うから安いということはありません。」と言われました。

でも、「売ってあげますよ」に、私は、小躍りしてしまいました。 売って下さるという事は、私が牛首紬の販売者になれるということです。 わあ、すごい!と思って、電話を切った後で、「バンザーイ」と叫んでしまいました。

あの喜びの感情はいつまでも忘れません。 その時は、まだきもの販売は夢の段階だったのですが、「私にもできるかもしれない」という気持ちは、それまでの私の行動にはずみを付けてくれました。

その時にお話した西山産業開発の西山次長は、偶然にも現社長のご子息でした。 私は電話1本の細い線でつながった西山さんにちょっと長めのメールを書きました。 産地と消費者をつなぐサイトを立ち上げて、牛首紬の販売を考えていることなど、ほとんど夢状態の現状を綴ったのです。

ちょうどその時、西山さんは産地の新しい販売手段として、ネットを検討していらっしゃっいました。
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