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女将 女将奮闘記
サイト開設までの経緯編 vol.14
牛首紬販売会とOSMC
さて、仕入れの問屋さんが決まりましたが、牛首紬でいいのか?と苦悶は続きました。 いきなり牛首紬という高級品を扱うことへの躊躇です。
それに、この不景気の時代に高額品がネットで販売できるの?と考えると不安ばかりになります。 私はお客様の立場に立った仕事がしたかったので、例えば足袋でも良いからこれだけは優れている、絶対自信があると言える商材が何か無いのかと思いました。

お客様がネットで購買可能な金額として、たとえば10万円の予算でどんな物があるのだろうかと、ある時問屋さん全体を見渡しました。 そうすると、それまではとても広くて見え、未知の広大な場所だった問屋さんが急に小さく見えて来ました。

これだと思わされる、売りたいものが無いのです。 「困った」と思いながら、何回か問屋さんを訪問しました。 ある日、牛首紬の販売会が問屋さんで開催されていました。

私は何時間も牛首紬を見て、身体に当てて、話を聞いて帰ろうとしたのですが、 牛首紬は普段は問屋さんにも沢山置いていないので、次の機会は秋になると言われました。 秋?それは困る、と思いました。 私のサイト開設予定日は「明日」なのです。 明日がのびのびになっていても、その時の私は明日アップしたいと、もがいていました。



それは、7月17日に開催されたOSMC横浜オフ会に起因していました。 OSMCというのは有名なネットショップのオーナーが多数入会しているネット上の組織です。 その横浜オフ会に一般参加した私は、2次会まで参加しました。

高名なネットショップ店主の方々から直接アドバイスいただいた上、会長の森本繁生さんとお話させていただいて、「明日にでもアップしたらいかがですか?」と励まされていたのです。

その2次会は20名程の集まりでしたが、全く素人の私が、こんなに有名な方々とお話させていただいていいの? わあ、こんな具体的なアドバイスまで下さる。と信じられないような時間でした。 森本さんの「明日にでも」というソフトな関西言葉は私には絶対に聞こえました。

細かい説明はして下さらなかったけれど、1瞬を争う世界だということは 推測できましたし、「店名だけでもいいからアップしたらどうですか?」という言い方は、私にも出来そうだと思わせてくれました。

ところが実際にアップしようとすると、店名すら決めるのは困難なのです。 ドメインの問題や将来の方向性など様々なことを考えなければなりません。 でも「明日アップ」は、常に私の頭にありました。 今を逃すと秋まで牛首紬はない、と言われて私は決めました。

「買います」と言って、全11点、退職金を全部つぎ込んで牛首紬を購入しました。 その後、色んな方から、仕入れは全ての条件が揃ってから一番最後にやるべきだと言われたのですが、後の祭りです。

それに、仕入れたことに不安はありませんでした。 牛首紬は必ず売れると、この時には思っていました。 さあ、商材は決まりましたが、これからがまた大変でした。


 

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