啓子様ご一家の七五三(5歳のお祝い着)


啓子様は、ご主人様と1歳の男の子Aちゃんと一緒に
新潟十日町の滝沢工房を訪問な
さいました。

その工房で、 天井画として龍の絵をご覧になったご主人様が

「この絵で、僕のはんてんを作ってくれますか?」

と言われました。

ご主人様は、龍の字がつくお名前だったのです。
ということで、ご主人様が、洋服の上から気軽に羽織ることが
出来る龍のはんてんが、その後、見事に出来上がりました。 |
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そのはんてんは、見事としか言いようが有りませんでした。
龍が何とも上品なのです。
着ていただくのがとても楽しみでした。
その後、長男のAちゃんの5歳のお祝いが近づきました。
どんな柄が良いかしら?と、何ヶ月か悩まれた末
Aちゃんが大好きなパパと同じ龍の柄で作ることになりました。
しかし、大人の龍と子供の龍ではお顔が随分違います。
でも、漫画チックな絵では品格が有りません。
何ヶ月かして、下絵が出来た頃、また、ご一家で十日町の
工房を訪問しました。
そして、見せていただいた下絵は、感動するほど見事な
出来栄えでした。
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そして、滝沢先生は、「パパ似の墨色を地色にしましょう!」
とおっしゃられて、「それでお願いします」ということになりました。
ところがその後、滝沢先生の奥様から、「墨色ではなく紺色になりました。」
という連絡があり、私は驚きました。
そして送られてきた羽織の色は、紺ではなくきれいな青だったのです。
「どうして??」
これが責任を持って、この仕事を遂行したい私の気持ちです。
「なぜですか?」という質問に
「何回も会っている内に可愛くなって、もっと可愛く見せてあげたくなったから」
と滝沢先生がおっしゃいました。
ご一家は、何回も滝沢先生の工房を訪問し、そこで楽しい思い出が沢山生まれているのです。

啓子様ご一家は、青い色で受け入れて下さいました。(ホッ!)
その青い色の羽織の出来栄えは、とてもすばらしくて、
私は、その羽織を広げてみるたびに
滝沢晃先生のすばらしい才能に出会えたことを大きく感謝しました。

その羽織は、家宝のようだと思いました。
これほど上品に!これほど見事な作品を作れるなんて!
滝沢先生はまたしでも私を驚嘆させてくださったのです。
そして、その素晴らしさの大きな確認が出来たのが、2008年の秋です。
Aちゃんの5歳のお祝いは、きもの人で着付けを行って、
すぐそばの水天宮でなさることになりました。
お父様の龍の羽織
Aちゃんの龍のお祝い着
啓子様の花の訪問着
と、滝沢先生の作品をご一家で着て下さいます。
青い羽織を着たAちゃんは、この上なく可愛いお顔でした。
青の色が凛として可愛くて、なかなか出会える青では有りませんでした。
お顔の光沢や可愛さと青の色が大きく響き会っていました。
ああ、、滝沢先生は、こんなにも似合うものを作って下さった!と
これも大きな感動でした。
滝沢先生が目指したものと、その成果の大きさに打たれました。
そして、龍の羽織のお父様とAちゃんが、手をつなぎながら歩く姿は
お見事!としか言いようが有りませんでした。
1歳半のCちゃんは、まだきものを着ることが難しいので、絞りで作ったワンピースと
ウサギの耳の形のケープを作ってお召しになりました。
労働大臣賞受賞の縫製士さんが縫わせていただきました。
きもの人オフィスから徒歩3分の場所にある水天宮まで歩かれるご一家の光景は
本当に幸せに満ちていらっしゃいました。
おばあちゃまもとても嬉しそうでした。
「この光景は私が思い描いていた通りのものです」と啓子様が何回もおっしゃいました。
この瞬間にこめられたお幸せの密度の高さをひしひしと感じました。

まったく!!感動を作り出す男、滝沢先生、憎いですねえ~!



啓子様は、その後、A君の羽織の袖を短くなさって洋服の上から
羽織れるようになさいました。
そして、Aちゃんは、その後何回もその羽織をパーティなどで羽織って下さいま
した。すっかりAちゃんのトレードマークになりました。








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