想い 「私にとってのきもの」

着物へのめざめ             牧子さん 32歳

第一のめざめは、祖母の箪笥の長襦袢をその頃は着物だと思って内緒で着ていた 小学生の頃。
そんな私の秘密を知ってか知らずか口癖のように「あんたは着物が似合う 顔やね」と言っていた祖母。

そして80歳を過ぎていた母方の曾祖母まで「結婚するときは 自分の髪で日本髪を結ってほしい」なんて言うものだから、本人もその気になって、 黒くて多い髪を無理して腰まで伸ばした程、着物を意識しながら大きくなりました。

しかし母がそれほど着物好きでなかったために、大好きで着たいと思いながらも、 袖を通す機会はあまりありませんでした。

その後駆け落ちで結婚し、曾祖母の願いもかなえてあげられませんでしたし、 嫁入りに着物をつくてもらうということもありませんでしたから、大人になってからは 着物とは縁の遠い生活をしていたのです。

ところが、パソコンをはじめた去年から、着物への思いが再びめざめ、今はどっぷり つかっています。
贅沢品、フォ−マルとしての着物ではなく、普段に気負わず着物を着る人が増えればいいなあ、 と第二のめざめを覚えた私は、自ら実践しなければ..と近くの図書館に歩いて行ったり、 バスに乗ってお買い物にでかけたりしています。(もちろん子連れで)

これからも最低限の決まり事は知った上で、自分なりに工夫して着物を着続けていきたいと思っています。
次々数を増やしていくのも楽しみですが、工夫して着るということにも、着物生活の楽しみが あるように思いますから...。